「踏み台昇降トレーニング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは家の中で段差を上り下りするというトレーニング方法で、ダイエットをする人ならほとんど誰でも知っているものです。
名前だけ知っているという人は、きっとこのようなイメージを持っているはずです。
「でも、消費カロリーは少ないから効果薄でしょ?」と。
たしかに踏み台昇降トレーニングはきつい筋トレをするほどのカロリー消費はありません。しかし、長期的に痩せたいという人にとっては非常に効果的なトレーニング方法です。
この記事では踏み台昇降トレーニングの正しいやり方を解説するとともに、どうすれば効果が出やすいかといった注意点まで解説しています。
正しいトレーニング方法を知って、健康的なダイエットを始めてみましょう!
踏み台昇降トレーニングでは、実際に消費されるカロリーの平均は1時間250㎉と言われています。これは年齢・性別・体重などの基本要素によって差が生まれますが、大体このくらいです。これはウォーキングするのと同じくらいのカロリー消費量です。
しっかりとダイエットをしたい人にとっては少し不満かもしれませんが、家の中で外にいるのと同等の運動量がこなせることは大きなメリットと言えるでしょう。
それに運動時間や運動方法を変えればもっと楽にもでき、反対にきつくすることもできます。自分に合った運動強度にできる点も、ダイエットとして続けやすい要因です。
運動強度を選べるからダイエットとして続けやすいと説明しましたが、踏み台昇降トレーニングは特に長期的なダイエットに向いています。
長期的なダイエットとは半年から一年と長い期間をかけて行うダイエットで、徐々に体重や体脂肪率を下げていくことでリバウンドを起こしづらくするダイエットのことです。
一か月以内に〇キロやせたい、といった急激な効果を得ることはあまりできませんが、続けることで確実に結果を得られるので将来的なことを見据えた人におすすめです。
具体的に、なぜ長期的なダイエットに向いているか、次に解説していきます。
踏み台昇降トレーニングには、「消費カロリーが増える体になる」というメリットがあります。
踏み台昇降トレーニングを長く続けると、一日の消費カロリーが増えます。これはトレーニングによって筋肉量が増加することで基礎代謝が向上するので、運動をしていないときでも多くカロリーを使うようになるからです。
踏み台昇降トレーニングはそもそも数回するだけではなく、何か月も続行しやすく設計されたトレーニングです。体の組織を徐々に変化させることに非常に向いています。
当然食事制限も必要です。筋肉量を増やすたんぱく質が多く含まれる食材を取ることで、基礎代謝は上がるでしょう。
次に「体脂肪を燃焼する」というメリットもあります。
踏み台昇降トレーニングはランニングと同じ有酸素運動です。短時間で集中して行うきついトレーニングではなく、一時間程度の時間同じ行動をとり続けることで効果が得られるものです。
有酸素運動は体内の脂肪をエネルギーとして行います。蓄えられた脂肪を燃焼することができるので、ダイエットに向いていると言えるでしょう。
体脂肪を一キロ落とすのに必要な消費カロリーが、7200㎉と言われています。踏み台昇降トレーニングの消費カロリーが250㎉ということを考えれば、一か月程度で一キロは落とすことができるでしょう。
「それだけ?」と思う人はもう一度読んでください。体重を一キロ落とすのではなく、体脂肪だけで一キロです。ぐっと体脂肪率が下がり、引き締まった体になっていることでしょう。
踏み台昇降トレーニングは「足が細くなる」というメリットもあります。
踏み台昇降トレーニングは足を使って行うものです。特に足の筋肉が刺激されるので、ふくらはぎや太ももでくすぶっていた筋肉が動き出し、血液を循環させることができます。
血液がどんどん流れるようになると血液中に老廃物がたまりづらくなりますので、足に出ていたむくみが取れます。このおかげで足はすっきりして引き締まって見えるのです。
一か月もすれば目に見えて足が細くなったのが見てわかると思いますので、これからも続けようというモチベーションの維持にもつながるでしょう。
特に大きなメリットは「家の中でできる」ということです。
ランニングやウォーキングはわざわざ外に出て行う必要があるので、少し面倒になったら続けなくなる可能性が高いですが、踏み台昇降トレーニングは家の中で完結します。
テレビを見るのもユーチューブを見るのも自由なので、ごろごろしている時間を活用することができます。他にもあめが降った日も断念しなくてよいというメリットがあります。
ダイエットは基本的に苦しいことを無理やり続けるものなので、少しでも面倒だと思ったことは長く続けることはできません。その点、家の中でできるこのトレーニングは始めるまでのハードルが低いので長く続けることができるでしょう。
最悪気分が乗らないときは30分程度で切り上げることも可能です。
踏み台昇降トレーニングのメリットや長期的なダイエットに最適ということを知って、始めたくなった人も多いのではないでしょうか?
ここからは実際にトレーニングの正しいやり方を解説していきます。
基本的な動作と姿勢の確認から、負荷をかけたいときの方法まで解説しているので、まずは目を通してみてください。
踏み台昇降トレーニングには、以下四種類の準備物が必要です。
一応家の中でやると言ってもれっきとしたトレーニングです。できる限り安全に気を付けるために、踏み台上で滑るといった危険を排除して行うことが大切です。
しかしこれらは怪我に気を付けるための物なので、際会うの場合じゅんびしなくてもトレーニングは可能です。適度に壊れない踏み台を準備して、畳の上に置けば本体が滑ることはありません。汗をかくので裸足ではしない方が良いですが、靴も履きなれたものでもできます。変なところにお金をかけたくないという人は、実質無料でできるトレーニングになります。
しかし、何もお金をかけずに始めるとどうしても長続きしなくなります。
少しでも長く続けようと思っている人は、次に紹介する踏み台だけでも購入するとよいでしょう。
踏み台昇降トレーニングをするための専用の踏み台です。
どこにでも置けるように設計されている上しっかりと滑り止め加工がされているので、トレーニングをするときに滑る心配はありません。
高さも10センチと15センチに変更可能で、高さを上げて負荷をかけることも可能なつくりになっています。
料金もそれほど高くないですし、一つ専用の器具を持っていると目が入った時に運動をしようかという気持ちにもなります。やる気を維持したい人はぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか?
一軒家に暮らしている人であれば、階段を使ってトレーニングすることも可能です。
踏み台のようにぶれることもありませんし、十分なスペースと一段の高さがあるならばぜひ使っていただけたらよいでしょう。家の階段であれば目の高さにスマホを置いてユーチューブを見ることもできるでしょうし、姿勢をまっすぐに保つ効果も付いてきます。
この際に注意していただきたいのは、階段の高さだけです。あまりに高すぎるといきなりハードな運動をすることになりますので、10~20センチの高さかどうか確認してみてください。
それでは次に、実際にどのようなトレーニング方法なのか解説します。
たったこれだけの運動です。非常に簡単なので、目をつぶっていてもできるでしょう。
ですが、、この時に特に注意していただきたいのは姿勢です。
順序1で書いていますが、しっかりと背筋を伸ばして行いましょう。その際に目線を落とさないようにすれば効果が上がります。
最初は全身を使わない筋肉で姿勢を保つ必要があるのできついと思いますが、すぐになれるはずです。
以上の運動を実際にやってみて、もう少し負荷が欲しいと思う人もいるでしょう。
その時は踏み台の高さを高くするか、手か足に重りを付けると簡単に負荷をかけられます。
踏み台の高さは5センチ変えるだけでもかなり運動量に変化が出ます。きつくなり過ぎない程度に、高さを変えるとよいでしょう。先ほど紹介した専用の踏み台であれば、10センチから15センチにあげることができます。
重りも専用のダンベルかアンクルウエイトがあれば、簡単に負荷を上げることができます。わざわざ購入するのは億劫だという人は、ペットボトルに水を詰めたものを持ちながらやることで代用もできます。踏み台の高さ調整と同じように、最初から二リットルのペットボトルを持つといった無茶はしないようにしてください。
負荷をかけたいけどものを準備するのは面倒だ、という人はトレーニングにスクワットを組み込むことをおすすめします。
スクワットは一見楽なものに感じますが、正しい姿勢ですれば最もきついトレーニングと言われるほどに負荷のかかるトレーニングです。どれだけ沈み込むか、どのくらい時間をかけてスクワット一回をこなすかによってトレーニング強度は調整が可能なので組み込んでみましょう。
スクワットを組み込みたいときは、踏み台から降りたタイミングで一回挟むとよいです。
上にいるときはバランスを崩した時に事故につながりやすいので避けましょう。
順序としては以下の通りになります。
スクワットを行うときに注意していただきたいのは膝をつま先より前にしないようにして沈み込んで、90度以上は深く沈まないということです。
よく昭和のトレーニング風景でうさぎ跳びのようなスクワットをしていることがありましたが、あれほど深く沈みこむと膝を壊す原因になります。沈み込むのは90度までに抑えたうえで、できるだけ真下に沈むことが重要です。
背筋を伸ばしたままスクワットを行えば、膝がつま先より前に出ることもないはずです。
ここまで踏み台昇降トレーニングのやり方、負荷のかけ方について解説しました。
意外と簡単にできる上に、負荷も自由にかけられるのでぜひ始めてみてほしいと思います。
しかし、どうせダイエットを行うのであれば、高い効果を得られるトレーニング方法を知りたいですよね?実はトレーニングをするやり方や時間によって、得られる効果にも差が出てきます。
具体的に次の五つの観点で工夫することができます。
かなり色んな事に注意しながらトレーニングを行う必要があるのがわかりますよね。
これらに気を遣いながらダイエットに励めば、効果も倍増することでしょう。
以下に詳細を解説しますので、参考にしてください。
トレーニング強度は、誰かとおしゃべりしながらできるくらいの疲労がちょうどよいです。息絶え絶えになってやるのはトレーニング強度がきつすぎますし、全力で歌うことができるのはさすがに楽過ぎです。適度に負荷がかかっている状態を持続できるくらいを意識しましょう。
踏み台昇降などの有酸素運動は、一時間程度肺が苦しい状態を継続することが最も重要です。苦しい状態を長く続けることに有酸素運動のメリットはあり、10分程度でへばってしまうのは無酸素運動の強度と変わりません。しっかりと時間を取って行えるくらいの速度と強度で取り組みましょう。
トレーニング持続時間は通常で1時間、どれだけ短くても20分は取るようにしましょう。
先ほど説明した通り、有酸素運動はある程度長くトレーニングをすることで効果を発揮するものです。20分は継続しないと効果は出ないと言われているので、時間を取って行うようにしましょう。
そのためのコツとしては、やはりトレーニング時にテレビやユーチューブを見ながら行うことです。1時間物の番組があればそれを見ている間トレーニングをやればいいですので、簡単に時間設定が行えるでしょう。
それでも長くは続けれなさそうという人は、まずは10分間だけでもやってみることをおすすめします。毎日一分ずつでもトレーニング時間を伸ばしていけば、最終的に一時間くらいは行うことができるようになります。
トレーニングを行うのは、食事をとった1~2時間後にしましょう。
空腹時にトレーニングを行うと、体脂肪の代わりに筋肉を分解してエネルギーに変換します。痩せるどころか筋肉が付きづらい身体になるので、完全な空腹時にトレーニングを行うのは避けた方がよいです。
だからと言って、満腹時は苦しくてきつい運動はできないでしょう。無理にすると気分が悪くなって踏み台昇降に嫌なイメージを残すことになります。
そのためちょうどよいのは、食事をとった1~2時間後にトレーニングをすると効果的です。特にタンパク質を多めに含む食材を食べると筋肉肥大効果があるのでおすすめです。
しっかりとした食事でなくとも、小腹を満たす程度の軽食で構わないので何かお腹に入れてから運動するようにしましょう。
トレーニング前には軽い筋トレを行うと脂肪燃焼効率が上昇します。
筋トレを行うことで、体内にある糖を消費することが可能です。踏み台昇降トレーニングをするときには糖が消費し終わっているので、その分脂肪を燃焼しやすくなります。これは他の有酸素運動を行うときも同じです。
何も本格的な筋トレをする必要はありません。プランクなどの簡単なメニューで構いませんので、10分程度筋トレをしてから行うとよいでしょう。
始めは面倒かもしれませんが、ルーティンにすれば筋トレをするのも苦ではなくなりますよ。
トレーニング頻度は、週4日くらいがよいでしょう。
踏み台昇降は足の筋肉に特に負担をかけるトレーニングです。慣れていないときは特に、筋肉痛になることもあるでしょう。筋肉痛になりながらトレーニングをすると、少し無理をして行うことでフォームが乱れたりスピードが落ちたり、本来のパフォーマンスを発揮できません。
また筋肉を休ませることで、超回復という筋肉肥大を狙うこともできます。
超回復とは疲れた筋肉を休ませることで元の筋肉量より少しだけ増加させることですが、これは踏み台昇降トレーニングでも同じことが期待できます。
筋肉量の増加はエネルギー消費に効果的なうえ、引き締まった美脚を手に入れることができるので、疲れているときはぜひ休ませてください。毎日するのは控えて、二日に一回程度にしておきましょう。
踏み台昇降は長期的にトレーニングを行う場合、非常に効果のあるダイエット方法です。
体内の脂肪を燃焼しながら筋肉量を増加させることができるので、家の中でできる有酸素運動としては特に優秀でしょう。テレビやユーチューブを見ながらトレーニングできる点も魅力です。
迷っている人はぜひトレーニングをはじめてみましょう!