糖質制限ダイエットを始めたのに結果が全く出ない、と嘆いている人はいませんか?
糖質制限ダイエットは有名なダイエット方法ですが、正しいやり方や本質を理解せずになんとなく始めている人が多いです。
一気に体重を減らすと一定値以上は痩せなくなるのは当然ですし、やり方を間違えていればそもそも体重が減らないものです。
この記事では、糖質制限ダイエットで痩せない理由を前半で解説した後に、後半で体重を減らすための手段を紹介していきます。
糖質制限ダイエットとは、言葉の通り三大栄養素のうちの糖質を制限して体重を減らすダイエット方法です。
三大栄養素のうちの糖質は生きていくうえで必要なエネルギー源として働いています。
糖質と食物繊維を合わせたものを炭水化物というので、糖質=炭水化物ではないことは理解しておきましょう。
主に糖質は脂肪になるものなので、糖質を制限することで体重を減らすことができると言われています。
糖質を制限すれば脂肪がつかないと言いましたが、糖質=脂肪というわけではありません。
糖質を制限すると脂肪がつかない理由は次の通りです。
小腸でブドウ糖が吸収されると、血糖値が上昇します。糖質の摂取量が多いほど、吸収されるブドウ糖も多くなり、血糖値も高くなります。
血糖値の上昇が起これば、インスリンが分泌されます。インスリンは血液中の糖質を細胞に取り込むよう命令を出すホルモンなので、血糖値が高いほど多く分泌されます。
インスリンの働きによって、血液中のブドウ糖は全身の細胞に取り込まれます。取り込まれると、血糖値の上昇は抑えられます。
取り込まれたぶどう糖はエネルギー源として消費されますが、吸収しきれないぶどう糖は脂肪細胞に取り込まれて脂肪として蓄えられます。
つまり糖質を制限すると脂肪細胞に取り込まれる分の糖が摂取されないので、脂肪がつかないということになります。
糖質を制限すれば体重を減らすことはできますが、糖質自体は体を動かすエネルギー源になるものです。
制限をすればダイエットは可能ですが、減らしすぎると体に支障をきたすことになるので、完全に糖質をカットしてはいけません。
具体的には最低でも一日に70~130gは摂取しないといけないとされているので、この範囲に収まるように食事内容を決めていく必要があります。
糖質を制限しすぎると体重を減らすどころか、逆に体重が増えてしまうなんて事態も起こりかねません。
痩せないと悩んでいる人は、糖質をカットしすぎという可能性もあるので見直すべきでしょう。
糖質制限はやりすぎると逆に痩せないなんて矛盾するような側面も持っていますが、正しくすれば確実に痩せることができるダイエット方法です。
そのため、糖質制限ダイエットをやって痩せないのは、何らかの理由が存在します。
途中で体重の減少が止まってしまった人や、そもそも体重が減らないという人は次に書いている理由を参考にしてみましょう。
糖質制限ダイエットをしているのに初めから体重が減らないのは、シンプルにカロリーオーバーしている可能性があります。
糖質を制限して白米を食べないようにしているかもしれませんが、糖質以外の部分(肉などの主菜)やお菓子を食べているために、カロリーオーバーしていると体重は減りません。
糖質制限ダイエットは糖質を制限する以外では通常の食事をすることが推奨されていますが、だからと言って食べ過ぎて良いわけではないので注意してください。
成人女性の場合は一日当たり1400~2000kcal、男性は2200±200kcal程度が摂取カロリーの目安になっているので、大幅に超えないようにカロリー計算すると良いでしょう。
カロリーを越えないために、カロリーが記載されている外食をするのも一つの手です。
糖質制限ダイエットをしているはずなのに、実は糖質が制限できていないケースもあります。
白米などの主食を食べなければ大丈夫と思っている人も多いかもしれませんが、糖質は意外と多くの食材に含まれています。
知らず知らずのうちに糖質が多く含まれているものを食べて、一日70~130gという制限を超えている可能性があります。
一日の糖質量から計算すると、一食で食べて良い糖質量は25~40g程度とわかります。
思っているよりも少ない量しか取れないので、糖質制限ダイエットでそもそも体重が減らない人はもう一度糖質の量を確認してみるとよいでしょう。
記事の後半では具体的な食材についてもまとめているので、不安な人は参考にしてください。
糖質制限ダイエットをしていて、途中から体重が減らなくなった場合は基礎代謝が低下している可能性もあります。
基礎代謝の低下とは簡単に言えば、過度な食事制限をし過ぎて体重ではなく筋肉が落ちてしまった状態を指します。
筋肉量が減ると一日に消費するカロリー量が低下する(=基礎代謝の低下)ので、同じように食事を進めても体重が減らない可能性があります。
消費カロリーが減った分、摂取カロリーと消費カロリーに差が出なくなったと言えばわかりやすいでしょうか。
この場合は筋トレ等の運動を行って、筋肉をつけなおす必要があります。
運動をすればいいと考えてランニングをしようと考えた人もいるかもしれませんが、実は筋トレと有酸素運動には大きな違いがあります。
腹筋や腕立てと言った筋トレは筋肉量を増やして代謝を向上させる(消費カロリーを増やす)役割があるのに対して、ランニングなどの有酸素運動は脂肪を燃焼する役割を果たします。
体脂肪率が元々高い人であればランニングをして脂肪を燃焼する方が、ついでに筋肉も受けられて効率が良いです。
しかし体脂肪率が20%以下の人は有酸素運動をすると逆に筋肉が消費されてしまうので、ますます代謝が悪くなってしまいます。
さらに元々脂肪が少ないので脂肪の消費量も少なく、効率は非常に悪いです。
「食事制限をし過ぎて痩せなくなった」と悩んでいる場合は、代謝が低下していることが予測されるので、筋トレをメインに運動する方がよいと言えます。
痩せないと悩んでいる人の中には、ダイエットを継続している期間が短い人もいるようです。
糖質制限ダイエットは、始めた翌日からすぐに結果が出るものではありません。
約2週間程度が経ってから結果が出てくるダイエット法なので、始めた直後にすぐに痩せないと悩む必要はありません。
むしろ始めた直後に体重が減っているのは単に水分を取っていないからで、見かけ上数字が落ちているにすぎません。
正しくダイエットをできている人ほど始めた直後は体重が落ちづらいので、初めてすぐは痩せなくとも心配する必要はないでしょう。
糖質の代わりに脂肪をエネルギーにして活動するまでの準備期間を過ごしていると考えて、もう少しだけ続けてみましょう。
糖質制限ダイエットをして目標体重まで痩せた人にありがちなのが、すぐに食事をもとに戻してしまうことです。
糖質制限中はほとんど白米を食べられないのでストレスに感じている人が多く、目標まで痩せることが出来れば爆発してしまう人がいます。
しかし、基本的に体重を落とした直後というのはまだ体の細胞自体は入れ替わっていません。
元の食事に戻してお腹いっぱい食べると、すぐにリバウンドが起こってしまい、1か月程度の取り組みが無駄になってしまいます。
また、目標体重が低く、強度の高いダイエットを短期間で行った場合は体が停滞期に入っている可能性もあります。
停滞期の身体は栄養を吸収しやすくなっているので、元通りの食事量を取れば一瞬で体重が増えるどころか、前よりも増える可能性もあります。
ダイエットは短期間で体重を落とすものではなく、ゆっくりと体重を落とす状態をキープすることが重要だと理解しましょう。
以上の理由を踏まえて、糖質制限ダイエット途中に体重が落ちなくなった場合の改善策を紹介します。
そもそも体重が減らない場合はカロリーが多いか糖質をカットできていないかのどちらかなので、食事内容を見直せば問題ありません。
問題はダイエットで順調に体重を減らしていた途中に痩せなくなった場合です。
せっかくダイエットを続けてきたのに無駄になると不安に感じている人もいるかもしれませんが、対策はあります。
以下にそれぞれ具体的に解説していきます。
最も重要なのは食事量を減らさず、ダイエットを継続することです。
体重が落ちなくなったことに焦って、さらに食事量を減らそうとしている人もいるかもしれませんが、体重が一定値で止まるのは体の仕組み上の問題です。
一気に体重を減らしすぎると体が生命の危機を感じて、少ない食事量で体重を減らさないようにコスパの良い体に作り替えます。
この期間は体重が減りづらくなっているので、キープできればよいと割り切るべきです。
無理に食事量を減らして体重を落とそうとすると確実に不調が出るので、気を付けましょう。
食事制限のほかにできることは筋トレです。
前述もしましたが、糖質を制限してエネルギーが足りないときに筋肉を代わりに使用することがあります。
糖質制限ダイエットは特に筋肉が落ちて代謝が低下しやすいので、筋トレをして代謝を向上させることが必要です。
二日に一回程度でいいので、家の中でできる筋トレを10分するだけでかなり効果は表れるはずです。
では次に、糖質制限ダイエット中の食材について解説します。
糖質制限ダイエットでそもそも体重が減らないという人は、カロリーを取りすぎているか糖質を制限しきれていないかのどちらかです。
以下に糖質を少ない食べ物と糖質が多く含まれる食材を紹介します。
糖質が少ない食材では、基本的に主菜が多く含まれます。
肉類や魚は基本的に糖質が少ないので、白米の代わりに多く食べると良いでしょう。
ただし、カロリーオーバーには気を付けてください。
糖質が多く含まれる食材で注意してみてほしいのは飲み物類です。
野菜ジュースやインスタントコーヒーと言ったよく飲まれる飲み物は意外と糖質が多く含まれるので注意が必要です。
きちんと覚えて、余計な部分で糖質がオーバーしないように気を付けてください。
糖質制限ダイエットは有名なダイエット法ですが、必ずしも万能というわけではありません。
本来人がとるべき食事を制限しているので、どうしても不調が起こる可能性はあります。
以下のような不調が起こりうるので、もし似たような症状を感じたら即座にダイエットを辞めてください。
糖質制限をやりすぎると、血糖値が必要以上に下がってしまい、頭痛を引き起こすことがあります。
頭がぼーっとして何も考えられない等の症状でも同様の原因が考えられるので、その場合は糖質の量を少し増やすようにしましょう。
血糖値が下がれば集中力も散漫になるので、日常生活に支障をきたします。
ダイエットは必要かもしれませんが、体に不調を感じながら頑張るものではないと理解しなおしましょう。
糖質制限をしていると口臭や体臭が悪化することがあります。
これは糖質を制限したときに発生する「ケトン体」という物質が原因で、糖質が足りない場合に使われます。
ケトン体は脂肪酸と呼ばれる酸性物質のため、代わりに消費していると口臭や体臭が悪化する原因になります。
個人差はありますが不調には変わりないので、歯磨きをしたのに口が臭く感じる場合は糖質制限ダイエットを中止しましょう。
糖質制限をしていると炭水化物を取らないように食事を行うと思いますが、炭水化物は前半で説明したように糖質+食物繊維です。
糖質制限ダイエットでは食物繊維の摂取量が足りなくなる可能性が高く、便秘になりやすいと言われています。
他にも水分量が減るなどの原因も考えられるので、症状が出た場合は食事メニューの見なおしを行う必要があります。
糖質制限ダイエットは、正しく行えば確実に痩せるダイエット方法です。
始めてからまったく体重が減らない場合はカロリーオーバーか糖質オーバー、途中から減らなくなった場合は代謝の減少や停滞期に入った事が主な理由として考えられます。
いずれの理由にせよ、糖質を一日70~130gの範囲で取って他は普段通りの食事をするだけで解消されるはずです。
糖質を制限しすぎず、正しくダイエットを進めて理想の体型を手に入れましょう!